パートが社会保険に入ると損? メリット・デメリットを金額で比べる
令和8年度の料率で計算(東京・39歳以下)
配偶者の扶養に入っていて保険料0円だった人が、勤務先の社会保険に入ると、月収10万円なら毎月13,906円が給与から引かれます。 その代わり、1年加入するごとに65歳からの年金が年6,445円増え、病気やけがで休んだときは1日2,180円の手当(傷病手当金)が出ます。 損か得かは「いまの手取り」と「将来・もしもの備え」のどちらを重く見るかで変わります。下の表で、自分の月収の額を見比べてください。
月収ごとの損得
| 月収 | 引かれる保険料月(年) | 増える年金1年加入で年額 | 傷病手当金1日 | 出産手当金98日分 |
|---|---|---|---|---|
| 8万円 | 11,983円143,796円 | 5,787円 | 1,733円 | 169,834円 |
| 10万円 | 13,906円166,872円 | 6,445円 | 2,180円 | 213,640円 |
| 12万円 | 16,744円200,928円 | 7,761円 | 2,620円 | 256,760円 |
| 15万円 | 21,284円255,408円 | 9,865円 | 3,333円 | 326,634円 |
| 20万円 | 28,380円340,560円 | 13,154円 | 4,447円 | 435,806円 |
保険料は健康保険・子ども・子育て支援金・厚生年金の本人負担の合計。増える年金は、標準報酬月額 × 5.481/1,000 × 12か月で出した今の価値での目安(実際は物価などで見直されます)。 傷病手当金・出産手当金は標準報酬月額 ÷ 30 × 2/3 の日額(加入から1年たつ前は額が低くなることがあります)。出産手当金は産前42日・産後56日の98日分で計算しています。
デメリット: 手取りが減る
- 毎月の保険料: 月収10万円なら月13,906円、年166,872円。配偶者の扶養(国民年金の第3号)のあいだは0円だった分です。
- 配偶者の会社の家族手当が止まることがある: 「扶養に入っていること」を条件にしている会社では、手当が止まることがあります(会社ごとに違います)。
- 週20時間ちょうどだと手取りが一番減る: 週19時間から20時間に増やした直後が一番の損で、時給1,100円なら週22.5時間まで増やすと元に戻ります(週20時間の壁)。
メリット: 将来の年金と、もしものときの手当
- 将来の年金が増える: 月収10万円なら、1年加入するごとに65歳からの年金が年6,445円増え、一生受け取れます。10年加入すれば年約64,450円です。
- 病気やけがで休んだとき: 仕事を休んで給与が出ないとき、4日目から1日約2,180円(最長で通算1年6か月)。扶養に入っているだけでは出ません。
- 出産のとき: 産休中に出産手当金が出ます(月収10万円で約213,640円)。
- 障害・死亡のとき: 国民年金に加えて、障害厚生年金・遺族厚生年金の対象になります。
- 保険料の半分は会社が払う: 会社もほぼ同じ額を払っていて、その分も年金に反映されます。
払った年金保険料は何年で取り戻せる?
厚生年金の保険料(本人負担)1年分を、増える年金で取り戻すには、月収にかかわらず約16.7年受け取る計算です (保険料率 9.15% ÷ 年金の増え方 0.5481%)。65歳から受け取り始めるので、おおむね82歳より長生きすれば元が取れる目安です。 月収10万円なら、1年分の保険料107,604円に対して、年金が年6,445円増えます。
本人負担の保険料だけで比べた目安です(会社が払う同じ額の分は含めていません)。年金額は物価や賃金で見直され、受け取る年数は人によって違うため、将来の損得を約束するものではありません。
損しない働き方
- 扶養のままでいたい: 週の所定労働時間を20時間未満にします。ただし実際の時間が2か月続けて20時間以上になると、3か月目から加入します(くわしく)。
- 入るなら時間を増やす: 週20時間ちょうどより、時給1,100円なら週22.5時間以上にすると、扶養のときより手取りが多くなります(時給別の時間)。
- 月収およそ12.6万円以下: 新しく対象になった会社では、本人負担が3年間軽くなる制度があります。使うかは勤務先に聞いてみてください(くわしく)。
- 親の扶養に入っている20歳以上の人: もともと国民年金(月17,920円)を自分で払っているので、加入すると国民年金がなくなり、手取りが増えることもあります。
自分の時給・時間・都道府県で比べるなら計算機へ。
増える年金の計算式は日本年金機構の老齢厚生年金の計算方法(報酬比例部分)、傷病手当金・出産手当金は協会けんぽの案内によります。計算のしかたは計算方法と出典に。